社長ブログ

So Many Wonderful Things

すでに経験したような気持ちになることがある。例えば、映画 Pursuit of Happyness ( Not Happiness )(邦題 幸福のちから) Chris Gardner の役を演じた Will Smith が、初めてストックブローカーと出会い、建物に出入りしている幸福感に包まれた表情の人々を見て、’ I will never forget this moment ' ( 僕はこの瞬間を忘れない )と言っている場面などだ。

Welcome Chris ( 映画 Pursuit of Happyness の挿入曲 )のピアノの調べに乗って、天使の羽根がひらひらと上から舞い降りてくる。

この数日、たくさんの素晴らしい出会いとお話を頂き、ようやく長年の研究開発成果が実を結んで産業化の入り口から入れそうな思いを味わっている。

研究開発の成果を世に出すには、3つの障害を乗り越えなければならないと言われている。魔の川( Devil River )、死の谷( Death Valley )、ダーウィンの海( Sea of Darwin )のことだ。魔の川は、如何に知の源泉に辿り着いても、それが前人未到のもので有効な知財に結びつくものでなければ、支流から本流となって経済の大海に注がれることなく枯渇してしまう。次に待っているのは、ひたすら灼熱の太陽が照りつけ、渇きに苦しむ応用研究と試作を繰り返す死の谷の行進である。そうしてようやく経済の大海に船を漕ぎ出しても、次に待っているのは恐らくこういうことだ。ダーウィンの海とは象徴的な意味に違いないが、ガラパゴスの海域を晴れた日に眺めるとのどかな光景が広がっている。しかし、ひとたび海に潜るとどう猛なハンマーヘッドシャークが群れをなす弱肉強食の世界である。多くの困難を乗り越えて量産のステージに立っても、あとからあとから優れた技術が台頭し、コスト競争に打ち勝っていかなければならない。

想像しただけで身震いしそうになるが、僕の心から溢れ出しているのは、知の源泉に辿り着く圧倒的な光と歓喜、エジプトのヨセフが兄弟たちとの再会の場で発した「命を救うために」という人の望みの根源的な言葉の力など So Many Wonderful Things に取り巻かれているという歓びだ。

 

映画 Pursuit of Happyness( 幸福のちから ) Will Smith

 

映画 Pursuit of Happyness( 幸福のちから )の Will Smith